奈良の一刀彫 万葉堂

お知らせ

2019/09/01

「金箔の貼り方について」




奈良一刀彫の金箔の貼り方は、下地に薄めた膠(にかわ)を2回程塗り、乾かした後、濃い膠を塗って金箔を貼る…
と言うのが伝統的なやり方です。
しかし、金箔を膠で美しく貼るには、高度な技術が必要で、夏場の暑い時期は出来ないと言う難点もあります。


当店では、膠を使わず「カシュ―」と言う塗料を使って金箔を貼ります。
カシュ―塗料の元、カシュ―樹液は、「カシューナッツ」の殻から絞り出した油が原料です。
カシュ―は、漆に似た性質を持ちますが、被れる事なく安心して使えます。
カシュ―を使う利点は、外気温に左右されず仕事が出来て、膠より美しく貼る事が出来ます。


手順は、との粉で地塗りをします。
地塗りをした部分に、下地の塗料を塗ります。
乾いたら、カシュ―とカシュ―うすめ液で作った液を塗ります。
この時の割合も、カシュ―が濃いと乾き難く、うすめ液が多いと早く乾いてしまうので、大変難しい割合です。
また、下地仕事の際に、ホコリや筆の毛が1本でも入っていたら、その型が出てしまうので、ゴミが入らない様に細心の注意を払いながら塗らなければなりません。


カシュ―の乾くタイミングを見て、金箔を置きます。
金箔は、鼻息でも飛んでしまうので、窓を閉めた無風状態の中で作業をします。
この金箔を置くタイミングも、非常に重要です。
次に、刷毛で垂直に押すように優しく叩きます。
刷毛を横にスラない様に気を付けます。
5日から10日くらいかけて乾かします。
カシュ―が完全に乾いたら、金粉を掃って膠水を塗り出来上がりです。


・下地仕事
・カシュ―の濃度
・金箔を置くタイミング
・金箔を押すタイミング


この4つの工程が全て整わないと、金箔は美しく貼る事は出来ません。
当店は、金箔の美しさにも拘って、仕事を続けています。